大森市長、松田会頭をはじめ、アリーナ整備事業のリーダーシップを発揮されている皆様に、まず心より敬意と感謝を申し上げます。
さて、冒頭に一点申し上げます。
先日ワールドシリーズで優勝したロサンゼルス・ドジャースの2024年の総収入は約10億ドル(およそ1,520億円)と報じられています。
また、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティは2023/24シーズンの収入が約1,425億円に達しています。
一方で、ファジアーノ岡山の年間収入は約20億円、岡山シーガルズやトライフープ岡山はそれぞれ約4億円規模です。
一見すると大きな差に見えますが、スポーツ庁の資料によれば、30年前にJリーグが開幕した当初、プレミアリーグやMLBとの市場規模の差はそれほど大きくなかったとされています。
つまり、この30年間で大きな開きが生じたのです。
このことが示すのは、スポーツ産業が持つ「成長余地」そのものです。裏を返せば、まだ日本のスポーツビジネスには極めて大きな可能性が眠っているということです。
本年4月、スポーツ庁と経済産業省が連携して開催した「スポーツ未来開拓会議」のとりまとめでは、国内スポーツ市場を現在の5兆円から2030年までに15兆円規模へ拡大するという目標が掲げられています。
特に「成長が期待される分野」として、①まちづくりと一体となったスタジアム・アリーナ整備(スポーツコンプレックス) が明記されております。
岡山市のアリーナ建設も、単にトップスポーツチームの活動拠点整備というだけでなく、これを契機として「スポーツ産業」を岡山の新たな地域産業の柱として明確に位置づける出発点とすべきだと考えます。
行政と経済界が一体となり、スポーツ・ウェルネス・ウェルビーイングを推進することで、市民の健康・幸福度の向上に寄与すると同時に、そこで得られた知見や商品・サービスを国内外に展開していく。
そうした循環が生まれれば、住民満足度の向上、産業創出、若者の雇用拡大や所得向上にも繋がるでしょう。
そのためにも、岡山市には スポーツ文化局と産業観光局が連携した「岡山スポーツ産業ビジョン」 の策定をぜひお願いしたいと存じます。
また、経済界の皆様におかれましては、アリーナ建設への寄附に心より感謝申し上げるとともに、これを機にスポーツやウェルネス分野への新規事業展開を、より積極的にご検討いただければ幸いです。
トップスポーツチームは、限られたリソースの中で職員や選手が懸命に活動しています。今後の成長のためには、資金・人材・知的支援を含む「リソース投入の拡充と質的向上」が不可欠です。
ぜひ経済界の皆様には、資金提供にとどまらず、各チームの“価値共創パートナー”として、より戦略的なご参画をお願い申し上げます。
私自身、「岡山からスポーツ産業を創出する」機運をさらに高めるために、民・産・官・学・金・言 の各界が連携する「(仮称)岡山スポーツ未来開拓会議」の開催準備を進めております。
ぜひ皆様と共に、
「スポーツで、もっとワクワクする岡山へ!」
このビジョンを実現してまいりたいと存じます。
私からは以上です。ありがとうございます。